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18/10/30 日経新聞 記事レビュー「IBMが過去最大の3.8兆円でレッドハット社買収」

米IBMは28日、クラウド向けソフトウエアなどを手がける米レッドハットを約340億ドル(約3兆8000億円)で買収すると発表した。IBMは急拡大するクラウド市場で米アマゾン・ドット・コムに出遅れたが、過去最大のM&A(合併・買収)で逆襲に転じる。アマゾンを含む「GAFA」など新興勢に追い詰められた20世紀のITの巨人が大型買収で賭けに出ている。

18/10/30 日経新聞 朝刊

IT業界の巨人であるIBMがのたうっている印象。ここ20年、ハードからソフトへの潮流に乗りきれず、業績が伸び悩む現状は、日本企業にとっても他人事ではないが、そのIBMが、過去最大の3.8兆円で、レッドハット社を買収したというニュースである。

知らない方のために、レッドハット社とは、パソコンやサーバーのOSを販売している会社である。まあ、マイクロソフト社のような立ち位置なのだが、そのOSがLinuxというものであり、その中身は基本的に公開されていて、ルールを守れば、他社が利用することも可能。基本無償のOSがLinuxであり、色んな種類がある。

「えっ、無償?じゃ、どうやってレッドハット社は利益出しているの?」となるが、レッドハット社は創立以来、そうしたLinuxを無償で開発してきた開発者のコミュニティを支援してきており、自社の開発力も投じている。(Linuxのようなソフトはオープンソースソフトウェアと呼ばれている。)言わば、Linuxの中のことに世界一詳しい企業なのだ。そして、Linuxは世界中の企業やサービスに普及していて、情報サービスの生命線として稼働している、しかも基本的に無償!しかしタダより恐いものはなく、問題が起きたときに助けてくれる専門家が必要となる。それがレッドハット社という訳で、有償サポートが収益事業となる。

サーバーやストレージといった超高額な箱売り商売から、基本無償のLinuxコミュニティへの巨額投資を決断したIBM、その事業の振り幅は極端だ。ただ、そうしないと生き残れないことも、ここ20年の業績不振で明らかなのも事実。先日は、マイクロソフト社が、やはりオープンソースソフトウェアを事業の基軸に据えたGitHub社を8,200億円で買収している。近年、ソフトの箱売りから月額サービスへの転換に成功して業績が持ち直しているマイクロソフト社ならともかく、うまく時流に乗り切れていないIBMにとって、劇薬とも言える戦略転換だが、大手術で身体が保たなくなる可能性も大きい。

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