【生産性考】テクノロジー、秩序崩す 銀行業、正念場近づく

18/11/05 日経新聞 朝刊銀行がリストラに雪崩を打っている。メガバンクでは三菱UFJ銀行が515あった従来型の店舗を6年間で半減させ、小型店などに切り替える。危機感の背後には、急進展するデジタル革命が銀行の産業としてのかたちを根底から変えてしまうとの懸念がある。

今さらのデジタル革命から、銀行の業務が脅かされるという話である。「AIが人類の知能を超える」的な話ではなく、すでに検証されている未来。なぜなら、すでにデジタル革命に裏付けされたサービスが普及してきており、銀行のサービスよりも便利だとして支持されつつあるので・・・。

18/11/05 日経新聞 朝刊 給与振込など決済の顧客基盤をベースに低利で預金を集め、貸し出しに回す。銀行は決済、預金、融資の三位一体のビジネスモデルで経済の中枢を担ってきた。

ところが、決済は、IT技術による代替が進んでいる。また、融資もIT技術をベースにした信用調査の方がはるかに短期間に融資決定が可能、しかも貸倒率は異常に低い。残るは預金だが、スマホを預金通帳代わりにしてしまえば、銀行の機能はすべてデジタル革命の産物でより低コストかつ高機能に代替されることになる。

これは、悲観論者による妄想ではなく、残念ながら現実なのだ。都銀と同様に、国内の銀行すべてにこの波が押し寄せることになる。かといって、銀行内部に、競合するITサービスを開発する能力はない。縮小均衡まったなしという現状がある。

こうした構図は、自動車産業にも当てはまる。日本を代表する基幹産業だけに、デジタル革命の大波に呑まれないよう布石を打ち続けているが、機械工業から情報システム産業へのシフトが現実問題可能なのだろうか?

携帯端末の末期に、システム開発とデバッグに要する投資が過大となり、出荷した携帯でエラーが多発したことがあった。結局、現在のAndroid携帯のように、「餅は餅屋」方式で、システム開発はプロに任せ、メーカーはそれを活かしたもの作りに徹する棲み分けに落ち着いている。自動車産業はこの携帯の業界構造へのシナリオを忌避しようとしている。ここから予測だが、自動車のシステムが肥大化の一途を辿る中、「餅は餅屋」方式で、システム開発はプロに任せる形に終着するのではないか?

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