【ニッポンの革新力】再生への道標(上) 「技術創出力」米IT突出

日経新聞が独自に算出した技術創出力ランキングによると、GAFAやBATという今をときめく巨大企業に比較すると、日本企業が見劣りするという記事が、18/12/19の日経新聞 朝刊に掲載されていた。「何を今さら?」という話しであり、そんなことは過去数十年間自覚されながら無理だった訳だ。

今後の指針となるのは、下記のコメントだろう:

18/12/19 日経新聞 朝刊だが、イノベーションの条件は一変した。GAFAに代表される新興企業はスピード重視だ。必要な技術は他社から調達して素早く事業化、不完全でも投入して市場の反応を待ち改良する。新事業の開始と閉鎖を繰り返し正解を見つける。

確かに、組織的にこれを実現しているのは、日本企業でも楽天、ソフトバンクくらいではないか?

日本企業の伝統的体質を鑑みるに、現代のイノベーションの実現はほぼ不可能であることがわかる。「必要な技術は他社から調達して素早く事業化」は、管理職数十人の決裁が必要な稟議書が延々と巡る組織では異世界の話。また、「不完全でも投入して市場の反応を待ち改良する。新事業の開始と閉鎖を繰り返し正解を見つける。」は、新事業の閉鎖に伴い誰が責任を取るのかを考えると、誰もやろうと言い出せない。そんな組織でイノベーションを語るなぞブラックユーモア以外の何物でもない。

そういう意味において、日本企業らしくない異色の経営者(外国人や異端児)が辣腕をふるう企業しか、現代のイノベーションの達成は困難であることがわかる。それを象徴するのが下記のコメントだろう。

18/12/19 日経新聞 朝刊低迷の背景には、高品質の製品を量産する「日本流」の行き詰まりがある。日本企業は中核部品の開発や作り込み、完成品の組み立てまで自前主義と完璧主義にこだわった。イノベーションが既存技術の延長線上にあった時代には大きな武器だった。

あたかも歴史的事実のように書かれているが、ほんの数年前の話しであり、今の日本産業の根幹を支え続けている「現役バリバリ」のコンセプトである。つまり、日経新聞の記者の頭の中では、既に否定されてしまった過去の考えなんだろうが、日本企業の99%は上記の考え方の元に日々業務に邁進している。楽天では、数年前から社内公用語は英語になっているというが、「ズブズブの日本企業=死」という前提が、三木谷社長をそこまで駆り立てているのだろう。

ただ、一般論として「日本人が経営する日本らしくない企業」は根本的に無理があるのであり、結果が如実にそれを示している。「日本人が経営する日本を体現する経営」が一周回って、GAFAを撃破する。それには日本企業を否定から入るのではなく、日本的経営を再構成して、似て非なる日本企業を創造する必要があるが、それには上記の様な現在の立ち位置を社会的に共有できるかどうかにかかっている。「日本企業、日本人ってサイコー!!!(キャハハ)」というテレビ番組が延々と放送されている現状をみると難しそうだけど。

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