「ネットでモノを買う」という購買行動は、かなり特異なことだった。およそ20年前の話。そのルーツたる通信販売も、健康食品などあやしい商品のイメージが拭えなかったものだ。それが今や、店舗を見る「ショールーム」で、ご購入はネットでと主従逆転してしまったのだという。
日経 電子版 19/07/27
小売り大手がインターネット通販を前提とした店作りを始めた。注文は基本は通販サイトで対応し、店舗は商品を「見る」ショールームと位置づける。小売業界では店舗を収益を生み出す源泉として重要視してきたが、ネット通販を支援するツールとする。
本来、20年という時間は、人の購買行動を一変させるには短すぎる時間である。それは、スーパーやコンビニが市場で一定の規模に成長するまでに要した年数を調べると明らかだ。このスピード化は、スマホに代表されるようなIT技術の劇的な進化の恩恵に他ならない。本当に驚くべきことだが、モバイルデータ回線の大容量化、スマートフォンの発明によるネット端末の小型化が驚くべきスピードで進んだ。
一方、これだけ成長しているということは、他の流通チャネルの売上を侵食しているということになる。
日経 電子版 19/07/27
ネット通販は右肩上がりの成長が続いており、野村総合研究所によると18年度の市場規模(推計)は19兆3000億円だった。24年度には27兆2000億円になると予測する。
コンビニの市場規模は11.8兆円、スーパーの市場規模は13兆円だという。急成長を続けるネット通販の伸び代は、一体どの業態から奪われるのだろうか・・・。